こんにちは。
らんまるオーナーです。
今日は私が最近読んだ犬関連の本をご紹介したいと思います。
犬部! 北里大学獣医学部
著：片野ゆか
1．この本について
北里大学獣医学部に
実在した「犬部」という部活で
起きた出来事を記したノンフィクションです。
北里大学の学生たちである犬部の部員達が
飼育放棄された犬や猫を保護して、
守っていく様子を描いています。
2．犬部について
先ほども述べましたが「犬部」とは、
実際にあった部活です。
犬部は保護犬達の
新しい飼い主をみつけることを目的として、
犬部の初代代表である太田快作さんが
設立しました。
3．「出会ってしまう人間」太田さん
無類の動物好きの太田さんは
「出会ってしまう人間」らしく、
大学に向かう途中やふとしたときに、
捨て猫や迷い犬に出会ってしまうそう。
そんな太田さんは捨て猫や迷い犬を見ると
放っておけず、つい自宅で保護してしまいます。
そんな保護活動をしているので、
実家からの仕送りはほとんどは
動物のエサ代・治療費に消えてしまい、
いつも生活はカツカツ。
保護してきた犬に新しい飼い主を見つけても、
また新しい犬が犬部に保護される。
ごく稀に保護犬が10頭以下に
なるときがあるぐらいで、
太田さんの活動が周囲に知られると、
捨て猫や捨て犬が持ち込まれることもありました。
でも、太田さんは保護犬のため、
活動をやめようとはしませんでした。
そんな犬部には設立当初からいる部員が
もうひとりいます。
それがハナコです。
4．「犬部員」ハナコ
ハナコは犬部での唯一の犬部員で、
太田さんが保健所から生後2か月で
引き取った飼い犬です。
母性本能が強いハナコは、
入れ替わりの激しい保護犬達の中での
ボス的存在です。
ケンカしている犬がいれば
間に入って仲裁したり、
いじめられている犬がいれば、
いじめている犬を威圧し追い返したり。
保護犬達も犬部員たちもハナコには
一目置いていました。
5．ハナコと2匹の子犬
ある日、犬部に1匹のメス犬が保護されます。
そのメス犬は妊娠していて、
後日、帝王切開で2匹の子犬を産みます。
しかし、メス犬は子犬2匹を育児放棄。
帝王切開で産むと出産した実感が持てず、
育児放棄をする母犬は少なくないそうです。
子犬を人間の手で育てるのは、
温度調節が必要だったり、
高額である子犬仔猫用のミルク代で
お金もかかります。
2匹の子犬はただでさえ資金不足の
犬部にとって悩みのタネになってしまいます。
そんな2匹の子犬をハナコに見せると、
出産経験のないハナコですが、
自分のそばに子犬を引き寄せて舐め始めます。
そして数日後、ハナコは2匹の子犬に
自分の母乳を与え始めるのです。
深刻な資金不足と人手不足で
困難を極めていた犬部はハナコという
犬部の先輩部員によって救われるのでした。
6．私の感想
ハナコのエピソードには続きがあります。
自分の身を削って母乳を
与え続けてきたハナコは、
栄養を子犬に取られることで
あばら骨が見えるくらい痩せてしまいます。
しかし、それでもハナコは
子犬たちが離乳するまで
母犬代わりになったのです。
2匹の子犬が巣立った翌年、
ハナコは子猫も同じように育てたそうです。
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私はこのエピソードを読んだとき、
「ハナコ＝太田さん」ではないかと思いました。
自分の身を削って犬部の為に
自身をささげる太田さんと、
自分の身を削って子犬の為に
自身をささげるハナコは
言葉は通じなくても
同じ思いを持った運命共同体ではないのか、と
この本を読んで思いました。
他にも多頭飼育崩壊の話や実験犬の話など、
ノンフィクションだからこそのリアルな話が
本には記載されています。
「犬部！」は林遣都さん主演で
映画化もされていて、
こちらも見てみたいと思います。
ちなみに犬部は現在「北里しっぽの会」として活動しているそうです。
私は図書館から活字版を借りて読みました。
マンガ版も出ていてこちらもおすすめです。
ぜひ読んでみてください。
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